ITF-203用 RS-232-C経由 Excel データ収録マクロの取扱い説明 岩通計測(株) 2005.01.26 ○はじめに この説明文をメモ帳(NOTEPAD.exe)でご覧の方はメニューバーの 編集(E)→右端で折り返す(W) にチェックを入れてからお読み下さい. またフォントの設定(F)は「FixedSys」としてください. 1. 概要 本ソフトウェアは, Microsoft Excel (以後Excelと表記する)のマクロ機能を 使って, 岩通計測(株)製 AD・DA変換実習装置ITF-203で取得した波形データを, シリアルポート(RS-232-C)を通して受信し, 各データ値をExcelの表計算シー トの各セルに入力・表示させるものです. 2. 動作環境 2.1.必要なハードウエア AD・DA変換実習装置: ITF-203 コンピュータ: シリアルポートを1つ以上備えたDOS/V機. Windows が普通に動作するCPUとメモリを搭載したもの. その他: RS-232-Cクロスケーブル, RS-232-C用9P-25P変換アダプタ. 2.2.必要なソフトウェア OS: Microsoft Windows 95,98,Me,NT,2000,XP アプリケーション: Microsoft Excel 97 以降のバージョン 処理言語: Microsoft Excel Visual Basic for Apprications Edition(VBA) 3. RS-232-C クロスケーブルについて RS-232-C のクロスケーブルといっても, その使用目的により多種多様のもの があるので注意が必要で, インタリンク用クロスケーブルと表記されているケ ーブルが下記結線に準拠しているようです. 基本的には, SD出力は相手のRD入力に(必須結線), RS出力は相手のCS入力に (フロー制御を行うので必須), ER出力は相手のDR入力に(特に必要としない)そ れぞれ相互に接続したケーブルを使用します. 具体的な結線を下図に示します. ITF-203 DOS/V機 本体コネクタ D-Sub 25pin(メス) D-Sub 9pin(オス) ケーブルコネクタ D-Sub 25pin(オス) D-Sub 9pin(メス) コネクタ結線図 RD #3 ----------<---------- #3 SD SD #2 ---------->---------- #2 RD RS #4 ---------->---------- #8 CS CS #5 ----------<---------- #7 RS GND #7 <-------------------> #5 GND ER #20 ---------->---------- #6 DR DR #6 ----------<---------- #4 ER 市販ケーブル名: NCR-AR1(1m) (\1,900? 東京ニーズ製) NCR-AR3(3m) (\2,800? 東京ニーズ製) 4. 使用方法 使用するコンピュータに Excel がセットアップされていることを確認してください. セットアップの方法は Excel のマニュアルを参照してください. 4.1. ファイルのコピー 配布用のフロッピーディスクには, ITF203RS.xlt (データ受信用シートのテンプレート) ITF203RS.txt (この説明書ファイル自身) の二つのファイルがあります. 使用するコンピュータの任意のフォルダに二つともコピーしましょう. 4.2. Excel の起動 まず ITF203RS.xlt をダブルクリックします. すると Excel のバージョンや設定にもよりますが, このファイルにはマクロ が含まれている旨のメッセージが表示されるはずです. これに対し「マクロを有効にする」を選んでください. するとたぶんITF203RS1 の計算シートが表示されます. 4.2. データの受信の準備 データを受信するには, あらかじめ受信シートのB3セルに受信点数, C3セル にシリアルポート名, D3にデータ信号速度を設定しておきます. 受信点数は, 1〜20480までの任意の値を設定します. シリアルポート名は, RS-232-Cケーブルのパソコン側の接続先名を設定します. 大抵は COM1 ですが COM2 の場合もありますので, パソコンの取扱い説明書 で確認して下さい. データ信号速度は, ITF-203を単純に電源投入した場合は, 9600になります. もし[スタート/ストップ]ボタンを押しながら電源投入した場合は,そのとき 設定した値にして下さい. ITF-203には何らかのデータ(波形)を記憶させたあと停止させておきます. つまり[ストア]ランプは点灯, [スタート/ストップ], [記憶], [再生]ランプ は消灯の状態にしておきます. 4.2. データの受信の実行 受信シートのF2セルに [START] と書かれていますがこのセルを右クリックす ると, ITF-203にデータの出力指令が送られ, データの転送が開始されます. 受信したデータは順次, B4セルからB5,B6と下方向に格納されていきます. 受信点数のデータを格納し終わると, F3セルに受信したデータ数を記入して Excel の仕事は終わりますが, ITF-203はその後も20480個のデータを全て送 信しようとします. まあほおっておいてもよいのですが, ストアデータの更新をせずにもう一度 同じデータを受信しようとして, 送信動作中に再度[START]させるとデータが 異常になってしまいます. 20480個未満のデータ受信のあとでは[スタート/ストップ]ボタンを二回押し て停止させてください. また受信の途中で不要なデータと思ったときも[スタート/ストップ]ボタンを 二回押して停止させてかまいません. セルに格納されたデータはグラフに表示されますが, これは Excel の機能で 表示していますので, グラフの設定は自由に変更しても削除してもかまいま せん. 受信の速度に関してですが, 1点のサンプルデータは最大3文字+1個の区切り 文字の4文字で送られます. したがって20480個のデータは, 最長 20480×4 = 81920バイトとなり 1バイ トが,8ビットにスタートビットとストップビットを加えた10ビットなので総 ビット数が819200ビットとなり, これを隙間無く送信したとして 9600bpsで は, 8192000ビット÷9600bps = 85.33s ≒ 1分25秒 が必要になります. もし何かの要因で通信に失敗した場合 「シリアルポート(COMx)が使用できません. OpenErr = nn」または「Timeout」 などのメッセージを出します. 前者は大概コンピュータのシステムの問題で失敗した場合で, 後者は接続方 法(ケーブル)やデータ信号速度の不一致などの問題で発生します. OpenErr = の値が -1 の場合は, 指定のシリアルポートが無いか何かの都合 で使用できない状態, -2 の場合は指定した条件の通信が不能なポートである という意味です. そのパソコンのハードウエアマニュアルを調べて, シリアルポートがコネク タ経由で使用できるよう設定しなおしてください. 後者の場合は,ケーブルの接続が正しいか, ITF-203が指示どおりに設定され ているかなどを調べてください. 4.3. 収集後の処理 受信シートのJ2セルに [CLEAR] と書かれていますが, このセルを右クリック するとB4セルから下方向に格納されたデータを消去します. 何度も繰り返し実験をされる場合にご利用下さい. 4.4. 使用上の注意 受信シートで罫線のあるセルは特殊なセルです. このセルの絶対位置が移動するような編集は行わないで下さい. メニューバーの[ツール(T)]→[マクロ(M)]→[Visual Basic Editor(V)]を選 択して, Sheet1(受信シート)をダブルクリックすると, マクロのソースコー ドを見ることができます.(参考までに) 5. 著作権について 本マクロプログラムの著作権および配布権は, 岩通計測(株)にあります. 当社に無断で,コードを改ざんすることは一向に構いませんが,プログラム中 に表記している Copyright(C) IWATSU TEST INSTRUMENTS CORP. の記載を削 除することを禁じます. 変更を加えた人の著作権表示と併記するようお願いします. 6. サポート体制 本マクロプログラムについての, 不具合などにつきましては, 下記の連絡先 にお問い合わせ願います. ただし,サポート対応の期間は, 本ソフトウエアの公開後一年間とさせていた だきます.(「取扱説明」の日付を参照ください) 〒168-8511 東京都 杉並区 久我山一丁目 7-41 岩通8号館 岩通計測(株) 特機事業部 特機技術1課 担当: 鳥居 俊宏 Phone: 03-3335-2121 Facsimile: 3335-2010 mailto: torii@iwatsu.co.jp 7. バージョン情報 Ver. 2.00 2004/05/07 初版発行 Ver. 2.01 2004/07/09 社名変更と誤記訂正, 説明追加 Ver. 2.02 2004.11.30 変数の未初期化が原因とみられるバグあり修正 Ver. 2.03 2005.01.26 20480未満のデータ転送時にグラフを拡大表示に, エラーメッセージを少し分かり易く Copyright(C) IWATSU TEST INSTRUMENTS CORP. 以上