=============================================================================== <BRINGO RS232 ActiveX コンポーネント Ver 1.00> 説明書 2004年5月 岩通計測株式会社 技術部 =============================================================================== ■1.概要  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ BRINGO RS232 ActiveX コンポーネント(以下、本コンポーネント)は、 岩通計測社製ディジタルオシロスコープ(以下、BRINGO)を RS232インタフェースを使用して制御するのに便利なコンポーネントです。 本コンポーネントをユーザアプリケーションで使用することにより 各種機能を簡単に利用することができます。 ■2.動作環境  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 本コンポーネントを使用する為には以下の環境が必要となります。 ・PC :IBM PC/AT互換PC ・OS :Windows95/98/2000/XP ・開発言語 :Microsoft Visual Basic(Ver6)またはMicrosoft Excel2000 ・DSO :岩通計測社製 DS-8812/8812P/8814/8814P/8822/8822P/8824/8824P ・I/F :RS-232Cクロスケーブル ■3.機能  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 本コンポーネントには以下の機能があります。 1) 波形の取込みと表示(DacqStartプロパティ) 2) コマンド送信およびクエリ受信 (SetCommandプロパティ/SendExecプロパティ/Responseプロパティ) 3) 自動測定値の読み取り (AutoMeasAプロパティ/AutoMeasBプロパティ/AutoMeasCプロパティ /AutoMeasDプロパティ) 4) 取込波形データ転送(GetWaveDatメソッド) 5) セットアップデータの送信および受信(GetSetupメソッド/SetSetupメソッド) 6) 画面転送(GetScreenメソッド) ■4.インストール/アンインストール方法  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 本コンポーネントを利用する場合は、インストーラを使用しご利用のパソコンに 「BRINGO-RS232C.OCX」をインストールする必要があります。 1) インストール方法 setupフォルダは以下のsetup.exeを実行してください。 2) アンインストール方法 Windowsの「スタート」 ↓ 「設定」 ↓ 「コントロールパネル」 ↓ 「アプリケーションの追加と削除」から “Bringo RS232 ActiveX Control Version1.00”を削除してください。 次に「スタート」 ↓ 「ファイル名を指定して実行」で以下の文字を入力して実行してください。 C:\WINNT\system32\REGSVR32.EXE /u C:\WINNT\system32\BRINGO-RS232C.ocx ※ファイルが存在するフォルダが異なる場合があります。その場合は 検索してフルパスを入力してください。 ■5.コンポーネントの利用方法  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 1) Microsoft Visual Basicでご利用の場合 「プロジェクト」→「コンポーネント」より “Bringo RS232C control”を追加してご利用ください。 2) Microsoft Excelでご利用の場合 「コントロール ツールボックス」→「コントロールの選択」より “BringoRS.BriAXRS232”を選択してご利用ください。 ■6.よく利用される機能についてのサンプル  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 本コンポーネントを使用したMicrosoft Excelファイルが ダウンロードすることができます。 本コンポーネント利用の参考になるコードですのでご参照ください。 ■7.仕様  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 本コンポーネントで使用可能なプロパティ、メソッドおよび イベントを以下に示します。 1) プロパティ 本コンポーネントで使用可能なプロパティを以下に示します。 <<通信関連>> 1.AddressSetプロパティ 形式:Boolean 機能:通信を開始します。 また、本コンポーネントの初期表示(グリッドの表示)も行います。 初期化時に必ず行ってください。 例 :BriAXRS232.AddressSet = True ' デバイスを初期化し通信可能にする 2.BaudRateプロパティ 形式:Integer 機能:通信速度を取得/設定します。 :通信速度は、以下の項目が指定可能です。 0:2400(bps) 1:4800 2:9600 3:19200 例 :BriAXRS232.BaudRate = 2 ' 通信速度を9600bpsに設定 3.SetCommandプロパティ 形式:Boolean 機能:送信コマンドを指定します。 このプロパティがコマンドを送信することはありません。 コマンドを実際に送信する為にはSendExecプロパティを使用してください。 例 :BriAXRS232.SetCommand = "ASET" ' 送信コマンドを指定 BriAXRS232.SendExec = True ' コマンドを送信 4.SendExecプロパティ 形式:Boolean 機能:SetCommandプロパティに設定されているコマンドを送信します。 このプロパティはコマンドの送信が完了するとFalseに変更されます。 送信するコマンドの設定はSetCommandプロパティで設定してください。 例 :BriAXRS232.SetCommand = "ASET" ' 送信コマンドを指定 BriAXRS232.SendExec = True ' コマンドを送信 5.Responseプロパティ 形式:String 機能:クエリコマンドに対する応答データが格納されます。 クエリコマンドを送信し、応答データを取得したい場合には このプロパティより値を取得してください。 このプロパティに格納されている値は 最後に送信されたクエリコマンドに対する応答データです。 例 :BriAXRS232.SetCommand = "*IDN?" ' 送信コマンドを指定 BriAXRS232.SendExec = True ' コマンドを送信 Label.Text = BriAXRS232.Respnse ' 応答データをLabel.Textに表示 <<測定関連>> 6.DacqStartプロパティ 形式:Boolean 機能:波形取込を行い、取込完了時に波形表示を行います。 プロパティがTrueに変更されると波形取込を行いますが トリガ条件未成立時に取込が完了せずに波形が表示されない場合が あります。波形取込完了時にこのプロパティはFalseに変更されます。 波形が取込まれたかを確認する場合は、このプロパティが Falseになっていることを確認してください。 例 :BriAXRS232.DacqStart = True ' 波形取込み要求 While BriAXRS232.DacqStart <> Fasle ' 波形取込みの完了待ち Status% = DoEvents() ' 操作の割り込みを取得 Wend 7.StopRequestプロパティ 形式:Boolean 機能:波形取込要求を中断します。 波形取込中断要求が実行(波形取込を中断した)後にStopRequestは Falseに変更されます。 例 :BriAXRS232.StopRequest = True 8.StartAddressプロパティ 形式:Long 機能:波形データ転送時の転送開始アドレスを取得/設定します。 指定可能な値は計測器本体に依存します。 <波形データの転送開始アドレス> 転送開始アドレス設定 = short:0〜5119(DS-8812) 0〜1023(DS-8812以外) = long :0〜102399 FFTモード 演算長 = 1024 :0〜511 演算長 = 4096 :0〜2047 例 :BriAXRS232.StartAddress = 24 ' 転送開始アドレスを24に設定 9.Dsizeプロパティ 形式:Long 機能:波形データ長を取得/設定します。 指定可能な値は測定器本体に依存します。 <波形表示のデータ長> データ取り込みモード = short:1〜5120(DS-8812) 1〜1024(DS-8812以外) = long :1〜102400 FFTモード 演算長 = 1024 :1〜512 演算長 = 4096 :1〜2048 例 :BriAXRS232.Dsize = 1024 ' 波形データ長を1Kに設定 10.AutoMeasA/AutoMeasB/AutoMeasC/AutoMeasDプロパティ 形式:String 機能:指定された自動測定項目の測定結果を取得します。 波形取込が完了していない場合は正しい測定結果でない可能性があります。 正しい測定結果を取得する場合は、 波形取込が完了していることをDacqStartプロパティで確認してください。 例 :LabelA.Text = BriAXRS232.AutoMeasA ' 測定Aの結果をLabelAに表示 LabelB.Text = BriAXRS232.AutoMeasB ' 測定Bの結果をLabelBに表示 LabelC.Text = BriAXRS232.AutoMeasC ' 測定Cの結果をLabelCに表示 LabelD.Text = BriAXRS232.AutoMeasD ' 測定Dの結果をLabelDに表示 11.Channelプロパティ 形式:Integer 機能:GetWaveDatメソッドの操作対象チャネルを取得/設定します。 チャネルは、以下の項目が指定可能です。 1:ch1 2:ch2 3:ch3 4:ch4 例 :BriAXRS232.Channel = 1 ' チャネル1の波形データを取得するように設定 BriAXRS232.GetWaveDat( 24, 1000, 1, Wave ) ' 開始アドレス24、データ長1000、データ間隔1でWaveにデータを格納 <<表示関連>> 12.WColorプロパティ 形式:Boolean 機能:カラー表示を行うかを取得/設定します。 カラー表示の場合はTrue、モノクロ表示の場合はFalseを 指定してください。 例 :BriAXRS232.WColor = True ' カラーで波形表示設定を有効 BriAXRS232.Ch1Color = vbYellow ' チャネル1のトレース色を黄色に設定 BriAXRS232.Ch2Color = vbRed ' チャネル2のトレース色を赤色に設定 BriAXRS232.Ch3Color = vbBlue ' チャネル3のトレース色を青色に設定 BriAXRS232.Ch4Color = vbGreen ' チャネル4のトレース色を緑色に設定 13.Ch1Color/Ch2Color/Ch3Color/Ch4Colorプロパティ 形式:OLE_COLOR 機能:本コンポーネントで波形表示する場合の 各トレースの色を取得/設定します。 トレースをデフォルト(黒)以外で表示する場合は WColorプロパティをTrueにする必要があります。 例 :BriAXRS232.WColor = True ' カラーで波形表示設定を有効 BriAXRS232.Ch1Color = vbYellow ' チャネル1のトレース色を黄色に設定 BriAXRS232.Ch2Color = vbRed ' チャネル2のトレース色を赤色に設定 BriAXRS232.Ch3Color = vbBlue ' チャネル3のトレース色を青色に設定 BriAXRS232.Ch4Color = vbGreen ' チャネル4のトレース色を緑色に設定 14.GridColorプロパティ 形式:OLE_COLOR 機能:グリッドの色を取得/設定します。 例 :BriAXRS232.GridColor = vbRed ' グリッドの色を赤色に変更 15.GridLineプロパティ 形式:Integer 機能:グリッドの形式を取得/設定します。 :グリッドの形式は、以下の項目が指定可能です。 0:実線 1:鎖線 2:点線 3:1点鎖線 4:2点鎖線 5:透明(非表示) 6:塗りつぶし 例 :BriAXRS232.GridLine = 0 ' グリッドを実線に変更 16.WBackColorプロパティ 形式:OLE_COLOR 機能:波形表示領域のバックグラウンドカラーを取得/設定します。 例 :BriAXRS232.WBackColor = vbWhite ' バックグラウンドカラーを白色に設定 17.WaveDispプロパティ 形式:Boolean 機能:本コンポーネント上で波形表示を行うかを取得/設定します。 波形表示を行う場合はTrue、行わない場合はFalseを指定してください。 例 :BriAXRS232.WaveDisp = True ' 波形表示を行うよう設定 2) メソッド 本コンポーネントで使用可能なメソッドを以下に示します。 1.GetWaveDatメソッド 形式:GetWaveDat(ByVal FromAddress As Long, ByVal ToAddress As Long, ByVal StepAddress As Long, WaveData(0 As Integer)) As Long 機能:Channelプロパティで指定されたチャンネルの波形データを ユーザ領域に転送します。 パラメタ:FromAdress As Long:転送開始アドレス。StartAdressとは異なります。 ToAdress As Long :転送終了アドレス StepAdress As Long:scan間隔。1が連続(DTSTEPが1の場合) <DTSTEPとの関係> DTSTEP StepAdress scan間隔 1 1 連続 1 2 1点おき 2 1 1点おき 2 2 3点おき m n m×n−1おき 戻り値:転送されたデータの数。 例:BriAXRS232.DacqStart = True ' 波形取込み要求 While BriAXRS232.DacqStart <> False ' 波形表示完了待ち Status% = DoEvents() Wend BriAXRS232C1.Channel = 1 '取得する波形データをチャネル1に設定 Size = BriAXRS232.GetWaveDat(0, 10, 1, WaveData) '波形データを取得します。(波形データの先頭から10個連続で取得) For i = 0 To DataSize Work = 14 + i '表示する行指定(14行目〜) PutRange = "J" & Work '表示する列指定(J列目) BriAXRS1.Range(PutRange) = WaveData(i)'取得した波形データを表示 Next i 2.SetSetupメソッド 形式:SetSetup(ByVal SetupFile As String) As Long 機能:指定されたファイルをセットアップとして送信します。 パラメタ:SetupFile As String :PCの転送元ファイルの名称。 ディレクトリを含むフル名称。 名称だけだと、カレントディレクトリに格納されます。 戻り値:転送されたデータの数。 例 :BriAXRS232C.SetSetup("SetupFile.bin") ' セットアップファイル"SetupFile.bin"を送信 3.GetSetupメソッド 形式:GetSetup(ByVal SetupFile As String) As Long 機能:セットアップを指定されたファイル名で保存します。 パラメタ:SetupFile As String :PCの転送先ファイルの名称。 ディレクトリを含むフル名称。 名称だけだと、カレントディレクトリに格納されます。 戻り値:転送されたデータの数。 例 :BriAXRS232.GetSetup("SetupFile.bin") ' セットアップを"SetupFile.bin"として保存 4.GetScreenメソッド 形式:GetScreen(ByVal atr As String, ByVal ScreenFile As String) As Long 機能:指定されたフォーマットでBRINGOの画面転送を行い、ファイル保存します。 画面転送については計測器本体、リモートコマンドの「TSCRN」を ご覧下さい。 パラメタ:atr As String:データの種類。"BMP"または"TIFF"。 ScreenFile As String :PCの転送先ファイルの名称。 ディレクトリを含むフル名称。 名称だけだと、カレントディレクトリに格納されます。 戻り値:転送されたデータの数。 例 :BriAXRS232.GetScreen("BMP", "Screen.bmp") ' BMP形式で"Screen.bmp"に画面転送 BriAXRS232.GetScreen("TIFF","Screen.tif") ' TIFF形式で"Screen.tif"に画面転送 3) イベント イベントは実装されておりません。 ■8.全体を使用したサンプル  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 主要コード部分のみを掲載します。 ' 接続ボタンが押された場合 Private Sub adsetcommand_Click() BriAXRS232.AdressSet = True End Sub ' 波形取込み開始ボタンが押された場合 Private Sub Command1_Click() Dim data(1024) As Integer ' ユーザ波形領域 BriAXRS232.DacqStart = True ' 波形取込みを1回分行う BriAXRS232.Channel = 1 Size = BriAXRS232.GetWaveDat(0,0,1,data) ' CH1波形の最初のデータを転送 Label2.Caption = Str$(data(0)) ' CH1波形の最初のデータを表示 BriAXRS232C.Channel = 2 Size = BriAXRS232.GetWaveDat(1023,1023,1,data)' CH2波形の最後のデータを転送 Label3.Caption = Str$(data(0)) ' CH1波形の最後のデータを表示 AMA.Caption = BriAXRS232.AutoMeasA ' 自動測定Aありの場合は、結果を表示 AMB.Caption = BriAXRS232.AutoMeasB ' 自動測定Bありの場合は、結果を表示 Timer1.Enabled = True ' 繰り返し取込みの制御を行う End Sub ' 波形取込み中止ボタンが押された場合 Private Sub Command2_Click() Timer1.Enabled = False End Sub ' フォームロード時 Private Sub Form_Load() BriAXRS232.WBackColor = BriAXRS232.WBackColor' 波形表示画面の背景の色設定 BriAXRS232C.AdressSet = True ' 装置のアドレスの設定 BriAXRS232.Wcolor = True ' 表示する波形のカラー設定 End Sub ' 送信コマンドが変更になった場合 Private Sub SendCommand_Change() BriAXRS232.SetCommand = SendCommand.Text End Sub ' コマンドセットボタンが押された場合 Private Sub SendExec_Click() BriAXRS232.SendExec = True Label1.Caption = BriAXRS232.Response End Sub ' 波形表示開始アドレスが変更された場合 Private Sub Text1_Change() BriAXRS232.StartAdress = Val(Text1.Text) End Sub ' 波形表示データサイズが変更された場合 Private Sub Text2_Change() BriAXRS232.Dsize = Val(Text2.Text) End Sub ' 波形表示を繰り返し行うタイマイベントが上がった場合 Private Sub Timer1_Timer() Timer1.Enabled = False Command1_Click ' 1回分波形取込み表示を行う Timer1.Enabled = True End Sub ■9.注意事項  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 本コンポーネントを参考にして新たなソフトウェアを作ることは自由ですが、 以下の件をご承知おき下さい。 1) 本コンポーネントの著作権は岩通計測機株式会社に属します。 本コンポーネントはいかなる場合でも、勝手に売買してはいけません。 商取引にて使用する場合は、ご連絡下さい。 但し、無料で配布することは自由ですが、著作者を明記して配布して下さい。 配布形式の変更は禁止です。 2) 本コンポーネントは、ハードウェアとの相性により 正常に動作しない場合があります。 3) 本コンポーネントを使用することによって生じる一切の不具合、 不利益、損害について、著作者は一切責任を負いません。 但し、明らかなバグ、改善案などについては、ご連絡下されば、 対応可能な場合は、後日バージョンアップする場合があります。 4) 本コンポーネントの最新バージョンは岩通計測株式会社の ホームページに掲載しています。 http://www.iti.iwatsu.co.jp 5)本コンポーネントを使用してのご意見、ご感想が有りましたら、 下記まで連絡してください。 - 岩通計測株式会社 営業部 フィールドサポート課 - 東京都杉並区久我山1−7−41 - e-mail: info-tme@iwatsu.co.jp ■10.履歴  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ・Ver1.00 2004/5 新規作成 対象機種:DS-8812/8812P/8814/8814P/8822/8822P/8824/8824P 以上 --------- 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