BRINGO波形ユーティリティプログラム 説明書 <Dispwave.exe(Ver5.00)> 岩通計測株式会社 技術部 2004年5月 1.概要 このユーティリティプログラムの主な機能は、 a.波形転送・表示機能 ①RS-232Cインターフェースを介して、デジタルオシロスコープBRINGO(DS-8812/12P/8814/14P), BRINGOⅡ(DS-8822/22P/8824/24P)に波形取込み(単発取込みと連続取込みが可能)を実行させ、 取得された波形データを、PC(OS:Windows)にバイナリー転送します。 ②転送された波形データをPC画面にモニタ表示します。 ③転送された波形データをCSV形式のファイルに変換します。 b.ファイル変換機能 BRINGO/BRINGOⅡ本体で作成されたバイナリー形式の波形データファイル(拡張子:WFM)を、 CSV形式のファイルに変換します。 2.動作条件 このプログラムは次の環境と条件で動作します。 a.ハードウェア パーソナルコンピュータ :PC/AT互換機、PC98シリーズ CPU :80486(100MHz以上)推奨 メモリ :8MB以上推奨 ハードディスク :500MB以上推奨 CRT表示解像度 :1024×768ピクセル(XGA)以上 デジタルオシロスコープ :岩通計測社製 BRINGO(DS-8812/12P/14/14P) BRINGOⅡ(DS-8822/22P/24/24P) RS-232Cクロスケーブル :BRINGO/BRINGOⅡの背面コネクタはD-Sub 9pinオスになっていますので、 本体に接続するケーブルはD-Sub 9pinメスが必要です。 b.ソフトウェア OS:Windows 95/98/2000/XP(マイクロソフト社) 3.インストール(プログラムの組み込み) 自己解凍ファイル”BRINGOUTY400.EXE”を実行してください。 解凍したファイルの中の"SETUP.EXE"を実行してください。 あとは指示にしたがって入力すると、インストールが完了します。 (インストールできない場合は、直接、DISPWAVE.EXEをダブルクリックして下さい) 4.アンインストール(プログラムの削除) [コントロールパネル]の[アプリケーションの追加と削除]を開いてください。 その中の[DSO波形転送ユーティリティ]を選択し、[追加と削除]を押してください。 アンインストールが実行されます。 5.接続方法 BRINGO/BRINGOⅡとパソコンとの接続 BRINGO/BRINGOⅡとパソコンの間を以下の接続の RS-232C「クロスケーブル」で接続してください。 (BRINGO/BRINGOⅡの背面コネクタはD-Sub 9pinオスになっていますので、 本体に接続するケーブルはD-Sub 9pinメスが必要です。) SD(#3)−−−−RD(#2) RD(#2)−−−−SD(#3) RS(#7)−−−−CS(#8) CS(#8)−−−−RS(#7) SG(#5)−−−−SG(#5) DR(#6)−−−−ER(#4):この接続は結線されいなくても構いません。 ER(#4)−−−−DR(#6):この接続は結線されいなくても構いません。 ※括弧ないはD-Sub 9pinのピン番号を表します。 6.操作方法 a.プログラムの起動 ショートカットを作成した場合は、デスクトップ上のアイコンをダブルクリックして下さい。 ショートカットが無い場合は、以下の操作で起動してください。 Windowsの[スタート] →[DSO波形転送ユーティリティ]→[BRINGO] b.[通信条件] <設定/実行方法> 設定方法は以下の通りです。 ・[通信条件]ボタン ・[実行]メニュー→[通信条件]メニュー <動作内容> RS-232Cの通信条件(ボーレート,デリミタ,COMポート)を設定します。 パソコンに接続されているBRINGO/BRINGOⅡと同じ設定にして下さい。 但し、本ユーティリティではデータ長が8bit固定で、RSボーレートの設定は 最大19200bpsまでとなっています。 COMポート設定は、BRINGO/BRINGOⅡが接続されているパソコンのポート を選択してください。 ①[通信条件]設定項目 ・RSボーレート : 9600, 19200 ・デリミタ : CR, CR/LF ・COM ポート : COM1〜COM10 ②BRINGO/BRINGOⅡ本体の設定項目 BRINGO/BRINGOⅡ本体の設定を確認するには、[UTILITIES]メニューの [Interface]を選択して[Interface]をRS232Cに選択すると、以下の設定項目 が表示され、以下のように設定してください。 ・[Delimiter] : CR, CR/LF (本ユーティリティ設定に合わせてください) ・[BaudRate] : 2400,4800,9600,19.2k, 38.4k,57.6k,115.2k (本ユーティリティ設定に合わせてください) ・[Data] : 7bits,8bits (8bitsに設定してください) c.トレースON/OFF機能 <設定/実行方法> 設定方法は以下の通りです。 ・[TRACE]チェックボックス(CH1〜CH4) チェックあり:トレースON チェックなし:トレースOFF <動作内容> 各チャネルのトレースをON/OFFにします。 ①[単発測定],[連続測定]開始時に、このチェックボックスの内容が本体に設定されます。 ②チェックをしたチャネルが、[単発測定],[連続測定]における波形転送対象チャネルとなります。 (チェックされていないチャネルの波形転送は行われません。) ③[CSV格納]時には、チェックをして転送されたチャネルの波形データが格納されます。 (チェックされていないチャネルの波形データは格納されません。) <注意事項> ①全チャネルのチェックをはずした状態での[単発測定],[連続測定]は、エラーとなります。 ②[ファイル変換]は、このチェックボックスに無関係に全てのチャネル波形データが変換 されます。 d.[単発測定] <設定/実行方法> 設定方法は以下の通りです。 ・[単発測定]ボタン ・[実行]メニュー→[単発測定]メニュー <動作内容> このボタン/メニューをクリックすると、本ユーティリティはBRINGO/BRINGOⅡの SweepをSingleに設定し波形取り込み(単発取込み)を実行させ、 取り込まれた波形データをパソコンに転送し、転送された波形をモニタ枠に 表示します。 このとき、[TRACE]チェックボックスにチェックをしたチャネルの波形転送が 行われます。(チェックされていないチャネルは転送されません) BRINGO/BRINGOⅡ本体がトリガ待ちの状態(RUN状態でトリガ信号が入力されていない状態) の時に[測定中止]ボタンを押下することにより波形取り込み中断ができます。 但し、波形転送が開始されると中断されません。 e.[連続測定] <設定/実行方法> 設定方法は以下の通りです。 ・[連続測定]ボタン ・[実行]メニュー→[連続測定]メニュー <動作内容> このボタン/メニューをクリックすると、[単発測定]の動作を繰り返し実行します。 このとき、[TRACE]チェックボックスにチェックをしたチャネルの波形転送が 行われます。(チェックされていないチャネルは転送されません) [連続測定]実行中に[測定中止]ボタンを押下することにより連続測定の停止ができます。 但し、波形転送中に[測定中止]を行っても直ぐに応答しません。この場合はその転送が終了 した後に連続測定が停止します。 BRINGO/BRINGOⅡ本体がトリガ待ちの状態(RUN状態でトリガ信号が入力されていない状態) の時に[測定中止]ボタンを押下することにより波形取り込みの中断ができます。 但し、波形転送が開始されると中断されません。 f.[測定中止] <設定/実行方法> 設定方法は以下の通りです。 ・[測定中止]ボタン ・[実行]メニュー→[測定中止]メニュー <動作内容> このボタンは、[単発測定]または[連続測定]が実行されている場合に有効となり、 いずれかが実行中に押下すると各測定を中止します。 詳細は[単発測定]、[連続測定]を参照してください。 g.[CSV格納] <設定/実行方法> 設定方法は以下の通りです。 ・[CSV格納]ボタン ・[ファイル]メニュー→[CSV格納]メニュー <動作内容> [単発測定]または[連続測定]にてパソコンに転送、表示されている波形データ をCSVファイル形式で保存します。 このとき、[TRACE]チェックボックスにチェックして波形転送が行われた チャネルの波形データが保存されます。 [CSV格納]ボタンを押下すると以下の設定項目を持つ[CSV保存ダイアローグ]が 表示されます。これら各項目を設定した後に[CSV保存]ボタンを押下すると [CSV格納ファイルの指定]ダイアローグが表示されるのでファイル名を指定し 格納してください。 [CSV保存ダイアローグ]設定項目 ①範囲選択 ・[全データ]チェックボックス: ここにチェックを入れると波形データ全てをCSVファイルに格納します。 ・[範囲指定]チェックボックス: ここにチェックを入れアドレス範囲を指定すると、そのアドレス範囲内の データをCSVファイルに格納します。 ②間引き ・[無し]チェックボックス: ここにチェックを入れると波形データを間引き無しでCSVファイルに格納します。 ・[有り]チェックボックス: ここにチェックを入れ間引き数を指定すると、その間引き数毎に波形アドレス アドレスを飛ばしCSVファイルに格納します。 ③サンプリング時刻の付加 ・[無し]チェックボックス: ここにチェックを入れると各データに対するサンプリング時刻が付加されません。 ・[有り]チェックボックス: ここにチェックを入れると各データに対するサンプリング時刻が付加されます。 (サンプリング時刻はトリガ点を0sとしてプリトリガ部(トリガ点より前のデータ) を負の値、ポストトリガ部(トリガ点より後のデータ)を正の値として計算します。) h.[ファイル変換] <設定/実行方法> 設定方法は以下の通りです。 ・[ファイル変換]ボタン ・[ファイル]メニュー→[ファイル変換]メニュー <機能> BRINGO/BRINGOⅡ本体で作成されたバイナリー形式の波形データファイル(拡張子:WFM)を、 CSV形式のファイルに変換します。 <動作内容> このボタン/メニューをクリックすると、[バイナリファイル(*.WFM)の指定]ダイヤローグ が表示されます。ここで変換元のバイナリー形式の波形データファイル(拡張子:WFM)を指定 し、[開く]をクリックします。 すると以下の設定項目を持つ[CSV保存ダイアローグ]が表示されます。 これら各項目を設定した後に[CSV保存]ボタンを押下すると [CSV格納ファイルの指定]ダイアローグが表示されるのでファイル名を指定し 格納してください。 [ファイル変換]は、[TRACE]チェックボックスに無関係に全てのチャネル波形データが変換 されます。 [CSV保存ダイアローグ]設定項目 ①範囲選択 ・[全データ]チェックボックス: ここにチェックを入れると波形データ全てをCSVファイルに格納します。 ・[範囲指定]チェックボックス: ここにチェックを入れアドレス範囲を指定すると、そのアドレス範囲内の データをCSVファイルに格納します。 ②間引き ・[無し]チェックボックス: ここにチェックを入れると波形データを間引き無しでCSVファイルに格納します。 ・[有り]チェックボックス: ここにチェックを入れ間引き数を指定すると、その間引き数毎に波形アドレス アドレスを飛ばしCSVファイルに格納します。 ③サンプリング時刻の付加 ・[無し]チェックボックス: ここにチェックを入れると各データに対するサンプリング時刻が付加されません。 ・[有り]チェックボックス: ここにチェックを入れると各データに対するサンプリング時刻が付加されます。 (サンプリング時刻はトリガ点を0sとしてプリトリガ部(トリガ点より前のデータ) を負の値、ポストトリガ部(トリガ点より後のデータ)を正の値として計算します。) i.[波形消去] <設定/実行方法> 設定方法は以下の通りです。 ・[表示]メニュー→[波形消去]メニュー <機能> 表示されている波形を消去します。 j.[ヘルプ] <設定/実行方法> 設定方法は以下の通りです。 ・[ヘルプ]メニュー <機能> ヘルプを表示します。 k.[終了] <設定/実行方法> 設定方法は以下の通りです。 ・[ファイル]メニュー→[終了]メニュー <機能> 本ユーティリティを終了します。 7.波形表示とCSV格納形式 a.波形表示 <波形表示機能> 転送された波形データを表示します。 2CHモデル(DS-8812/12P/22/22P)が接続されている場合はCH1,CH2波形表示領域のみとなります。 4CHモデル(DS-8814/14P/24/24P)が接続されている場合はCH1,CH2,CH3,CH4波形表示領域の全てが 有効になります。 各チャネルの波形色は以下ように固定で変更できません。 CH1:黄色 CH2:ピンク CH3:水色 CH4:緑 <波形表示制限> 本ユーティリティの波形表示は以下の制限がありますので注意して下さい。 本ユーティリティの波形表示は以下の制限がありますので注意して下さい。 ・波形表示は、常にジョイント表示(波形データを線で結ぶ表示方法)を行います。 ドット表示(波形データを点で表示する方法)には対応していません。 ・BRINGO/BRINGOⅡ本体のメモリ長設定(Short/Long)分の波形を圧縮表示します。 従ってBRINGO/BRINGOⅡ本体のT/div設定によっては、本体の波形表示と 本ユーティリティの波形表示とが異なる場合があります。 本ユーティリティの波形表示データ数は以下のようになります。 接続機器 メモリ長設定 本ユーティリティ波形表示データ数 DS-8812/12P Short 5,000w Long 100,000w 上記以外のモデル Short 1,000w Long 100,000w b.CSV格納形式 [CSV格納]または[ファイル変換]によって作成されるCSV形式は以下のようになります。 (下記の例は、DS-8814にて[サンプリング時刻の付加]を[有り]に設定した例です。) ()内は説明を意味します。 Model Name,DS-8814/14P/24/24P (モデル名) File Version,6 (ファイルバージョン名) Acquisition Time,2003-6-12 9:54:37 ([CSV格納]の場合は保存された日時, [ファイル変換]の場合は波形が取り込まれた日時) Time/div(second),5.00000E-09 (掃引時間(T/div)) Delay(second),0.00000E+00 (Delay時間) Delta(second),1.00000E-10 (変換されたデータのサンプリング間隔時間) Ch1 Trace,ON (CH1トレース状態) Ch2 Trace,OFF (CH2トレース状態) Ch3 Trace,ON (CH3トレース状態:2CHモデルの場合は格納されません) Ch4 Trace,OFF (CH4トレース状態:2CHモデルの場合は格納されません) Ch1 Volts/div,5.00000E-01 (CH1電圧感度(V/div)) Ch2 Volts/div,2.00000E-03 (CH2電圧感度(V/div)) Ch3 Volts/div,2.00000E-03 (CH3電圧感度(V/div):2CHモデルの場合は格納されません) Ch4 Volts/div,2.00000E-03 (CH4電圧感度(V/div):2CHモデルの場合は格納されません) Ch1 Offset(volts),8.00000E-02 (CH1オフセット) Ch2 Offset(volts),-4.00000E-04 (CH2オフセット) Ch3 Offset(volts),-2.00000E-03 (CH3オフセット:2CHモデルの場合は格納されません) Ch4 Offset(volts),-7.60000E-03 (CH4オフセット:2CHモデルの場合は格納されません) Points,1024 (格納データ数) Sampling Time,Ch1 Volt,Ch2 Volt,Ch3 Volt,Ch4 Volt (サンプリング時刻,CH1〜CH4データタイトル) -4.80000E-06,-3.20000E-01,-1.04000E+00,-1.04000E+00,-1.04000E+00 (サンプリング時刻,CH1〜CH4波形データ:Volt換算値) -4.79800E-06,-3.20000E-01,-1.04000E+00,-1.04000E+00,-1.04000E+00 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ BRINGO/BRINGOⅡ本体のAcqusition[Mode]を[Peak Det]に設定して取得されたPeak波形は、 通常の波形と異なり、MAX,MINデータの2データ1組で構成されます。 Peak波形内で、1組のMAX,MINデータのそれぞれには、時間関係はありませんが、 [CSV格納]または[ファイル変換]によって作成されるCSV形式は、以下の項目が ノーマル波形と同様に格納されますので注意してください。 ①Delta(サンプリング間隔時間) ②Sampling Time(サンプリング時刻) 8.改訂履歴 Ver5.00 2004/05/31 BRINGOⅡシリーズに対応しました。 Ver4.10 2003/10/28 トレースON/OFF設定チェックボックスを追加しました。 CSVファイル格納時にサンプリング時刻を追加しました。 CSVファイル格納時のCH2〜CH4データ不具合を修正しました。 Ver4.00 2003/06/13 不具合修正を行いました。 Ver3.00 2002/10/31 DS-8814に対応しました。 Ver2.00 2002/10/17 Windows2000/XPに対応した。 Ver1.33 バイナリからASCIIへの変換の問題を解決しました。 Ver1.32 DS-8812のファームウェアのアップデート(Ver 4.00)に対応しました。 Ver1.31 DS-8812のファームウェアのアップデート(Ver 2.00)に対応しました。 Ver1.30 ヘルプを作成しました。インストーラを作成しました。 Ver1.20 CSV形式で保存するときに、範囲と間引きを指定できるようになりました。 Ver1.10 ロングメモリの波形を転送できるようになりました。 9.注意事項 本ソフトウェアの著作権は岩通計測株式会社に属します。 本ソフトウェアによって生じたいかなる被害についても責任を負いません。 本ソフトウェアの最新バージョンは岩通計測株式会社のホームページに掲載しています。 http://www.iti.iwatsu.co.jp 本ソフトウェアを使用してのご意見、ご感想が有りましたら、下記まで連絡してください。 連絡先 東京都杉並区久我山1−7−41 岩通計測株式会社 営業部 フィールドサポート課 E-mail:info-tme@iwatsu.co.jp 以上 --------- Copyright (C) 2004 IWATSU TEST INSTRUMENTS CORPORATION ---------