2023年2月10日

TCFD提言に基づく情報開示

気候変動に対する方針・基本的な考え

 岩崎通信機株式会社(本社:東京都杉並区 代表取締役社長:木村 彰吾)はTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明するとともに、TCFD提言に賛同する企業や金融機関等が連携する場としての、TCFDコンソーシアムに参画したことをお知らせします。
 岩通グループでは、TCFD提言に基づき、「ガバナンス」「戦略(リスクと機会の分析)」「リスク管理」「指標と目標」に関する情報開示を行ってまいります。引き続き気候変動に対応したサステナブルな事業活動を推進することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

ガバナンス

 岩通グループは、気候変動に始まる自然環境問題をESG経営推進のための重要課題と捉えており、気候変動リスク・機会を特定し対策や取り組みについて、社長を委員長としたESG委員会での議論を踏まえて決定しています。また、同委員会の内容は取締役会に報告され、経営に関するリスク・機会と、その対応について意思決定をしています。

戦略

リスク・機会の特定プロセス

 岩通グループの事業は、「情報通信事業」「電子計測事業」「印刷システム事業」の大きく3つから構成されており、それぞれの事業でのステークホルダーに想定される気候変動リスク・機会が異なることから、事業別にリスク・機会の抽出及び特定を実施しています。
 2030年時点での財務影響について、事業別・ステークホルダー別のリスク・機会の抽出にあたり、次の観点を設定し検討しました。


特定した事業へのリスク・機会

 岩通グループは、気候変動問題の動向に対するシナリオ分析を実施し、事業別のリスク・機会の抽出結果に基づいて特定した当社への気候変動によるリスク・機会は表1の通りです。移行リスクに対しては、主要事業において、サプライヤでの部品・材料の製造等からユーザーの製品使用まで、多くの電力を使用することから、「GHG排出に関する規制強化」や「エネルギー需給の変化」、「低炭素製品の需要変化」に基づくリスクと機会が主と想定されます。また、物理リスクに対しては、気候変動関連災害による工場・事業所への影響を主なリスク・機会として捉えました。


気候変動のリスク・機会により想定される財務インパクト

 岩通グループは、各種シナリオで想定した気候変動リスク・機会が表出した際に想定される財務的インパクトを次のように想定しました。
 4.0℃シナリオでは、物理的リスクのうち特に「急性リスク:自然災害の激甚化」を、1.5℃シナリオでは、移行リスクのうち特に「政策規制:GHG排出に関する規制強化」による製品のCO2排出量削減のための開発費の増加、炭素税による課税及び「技術:エネルギー需給の変化」に伴うエネルギー価格の高騰による収益性の変化を想定しました。

リスク管理

気候変動のリスク・機会により想定される財務インパクト

 岩通グループは、シナリオ分析により特定した気候変動における「政策規制」、「技術」、「市場」、「ステークホルダーの評価」に関する移行リスクと「慢性」、「急性」の物理リスクについて、表2に示す「影響度」と「可能性」の2つの視点で評価しています。


 岩通グループは、評価した気候変動リスク・機会から重要なものを選択し、それらに対する対応策を、「実現可能性」と「効果度合」の観点から評価し、現実的かつ効果的な取り組みを優先して、その内容を決定しています(表1参照)。


気候変動リスク・機会の管理

 岩通グループは、環境マネジメントシステムを通じた気候変動に関する最新情報のモニタリングを行い、ESG委員会において事業活動の変化を考慮し、リスク・機会、影響度などの見直しを適宜実施します。


気候変動リスク・機会の全社的リスク管理への統合

 岩通グループは、気候変動の全社的なリスク・機会をESG委員会にて分析・評価し、取締役会に報告します。決定された気候変動リスク・機会は、他のリスクと共に経営層の指揮のもとリスクの低減及び機会の獲得に向けた対応策を実行しています。

指標と目標

目標 : カーボンニュートラルへの取組みを推進

 岩通グループは、SBTの1.5℃水準(Scope3排出量についてはWB2.0℃)を遵守し、2030年までに温室効果ガス(GHG)排出量の削減目標を下記の通りとします。

  • Scope1,2排出量については2020年度比42%低減(年率4.2%低減)
  • Scope3排出量については2020年度比25%低減(年率2.5%低減)


  • 電力事業者削減努力とは、電力事業連合会が掲げる2030年目標の電力CO2排出係数0.37/kgCO2を適用した場合の削減量であり、2020年の電力CO2排出係数から24%削減されると設定しました
  • 省エネ削減は、スコープ1&2排出量に対して現状比15%削減を見込み設定しました
  • 再エネ切替は、「2030年削減目標」全量から上記2つの方策での削減量の差分を設定しました


サプライチェーン排出量実績(Scope1,2及び3)

お問い合わせ先

経営企画部 広報グループ
 TEL : 03-5370-5112
 E-mail : pr@iwatsu.co.jp