• デジタル・オシロスコープは観測信号をアナログ波形からデジタル・データ波形に変換し半導体メモリに記憶するため波形を半永久的に記憶することができます。 アナログ式のメモリスコープは、ブラウン管の蛍光膜に波形そのものを電荷のかたちで記憶し、それを読み出すようにしています。電荷は徐々に放電されますので記憶時間には、自ずと限界があります。
    一方、デジタル・オシロスコープの場合は、半導体メモリへの電気の供給を続ける限りデータは保持されます。

  • アナログ式のオシロスコープはトリガによって、のこぎり波がスタートされますのでトリガ以前の現象は、観測できません。デジタル・オシロスコープでは、プリトリガ機能によってトリガ以前の現象を観測することができます。

  • データがデジタル化されるため、コンピュータによるデータ処理やデータの転送、プロッタなどの作画装置によるハードコピーが容易です。

  • 従来のアナログ式のオシロスコープに比べ、高速の単発多現象観測が容易です。アナログ式のオシロスコープの2現象観測は、垂直軸の高速切換えで行いますが、切換え速度を越えるような信号の同時観測はできません。高速信号の同時観測をするためには、デュアルビームCRT(電子銃・電子レンズ・垂直偏向板を2式持ったブラウン管)を用いたデュアルビーム・オシロスコープが必要です。
    デジタル・オシロスコープでは、増幅器とA/D変換器を複数用いることにより、容易に同時多現象の観測ができることになります。